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2017年6月22日木曜日

連合茨城海外交流 タイ訪問団(2017年6月18日~22日)

【 連合茨城海外交流 タイ訪問団 】
連合茨城は6月18日~22日において2017年度海外交流団をタイに派遣しました。
・訪問先:タイ(バンコク)
・目的:①タイの経済動向,労働問題,雇用問題,文化などについての見聞を広める
    ②JILAFタイ事務所表敬訪問
・参加者:17名
JILAFタイ事務所表敬訪問

    【世界遺産 アユタヤ遺跡】 
ワット・ロカヤスタ

ワット・プラシーサンペット

 5日間の行程で、JILAFタイ事務所表敬訪問では労働問題等の意見交換・アユタヤ遺跡視察ではタイ文化に触れる視察を実施をしました。バンコク市内は高層ビルが建ち並ぶ街があれば、すぐ隣には古い民家が軒を連ねるなど、バンコク市内でも格差社会が見られます。地方においては、都会とは違う貧しい生活を強いられている人々の生活を目の当たりにし、タイでの格差社会は日本では想像できないほどの格差がある事を痛感したところです。

 タイでは格差問題を国際社会に露呈した事件がありました。スワナプーム国際空港占拠(08年)・ASEAN関連会議の会場乱入(09年)・バンコク市街地占拠(10年)・クーデータ(14年)など。最終的には軍による強制排除が行われましたが、多くの人達が死傷する事態となったことは記憶にあるのではないかと思います。『タイは富裕層(5%)・中間層(35%)・貧困層(60%)であり、この格差社会が騒動の原因としてあります。また、タイでは税制の面で相続税(2016年2月~導入開始)が最近まで制度としてありませんでした【固定資産税=導入は2018以降に先送り】。そのため、お金持ちの人はお金持ちのまま、貧しい人はお金がないままという状況を作り出しています。政府はその経済格差に問題があると判断し、2016年2月から相続税を導入をしました。この状況を打開するためには格差是正が必要であり、富裕層にその一部を社会へ還元してもらう事が目的で、さらには所得の再分配を求めていくことも必要である。』(※1)と様々な文献により述べられています。

 他国で起こっている問題などは現地視察をすることで知り得ることもあります。連合茨城では毎年海外交流派遣団として各国へ派遣をしており、視察国の経済状況・労働雇用問題・生活実態・文化など様々な面で知見を得る事にもつながります。参加された方々には今回の経験を糧に労働運動での益々のご活躍を期待いたします。
以上

【参考文献・資料出所】
※1:元林稔博(2011)・タイにおける格差社会と労働分野の新たな問題