連合茨城医福労連(電機連合・自治労・ヘルスケア労協)主催による、「2017医福労連学習
会」が8月19日(土)、ホテルレイクビュー水戸で開催されました。連合茨城医福労連構成組織、議員懇談会会員の議員など80名が参加し、「医療従事者の働き方改革・夜間労働について考える」 ~夜勤・当直勤務が身体に与える影響~ をテーマに、講演と病院職場交流会を行いました。
挨拶する栗原副議長 |
はじめに、佐々木 司氏(慢性疲労研究センター長)から、夜勤労働をするにあたっての有害性
とリスクについての説明があり、昼間勤務と夜間勤務のパフォーマンステストを比較すると必ず夜間勤務のパフォーマンスが低下していることが様々な研究によって判明しているとありました。しかし、病院職場では変則的な交替勤務・ロング日勤(例8:00~21:00)・ロング夜勤(例19:00~翌9:00)と呼ばれる勤務形態も存在し、医療従事者の負担も大きく変則勤務で日々対応をしている病院職場の現状はあまり知られていません。さらに、夜勤も月7~9回(最大で月12回)や勤務形態(例:ロング日勤
→ 夜勤 → 休 → 休)のサイクルで対応をしている病院職場もあり医療従事者は疲労困憊です。
講演風景 |
その様な勤務の中で、身体に負担をかけないためにも仮眠の重要性を佐々木氏は提言してい
ます。夜間労働は人の生体リズムに逆らって勤務をするため、夜勤中は集中力やパフォーマンス
低下がはっきりと出てきます。ある文献では、『夜間の作業は酒気帯び運転以上に危険な状態で
ある!』とも述べられているそうです。そのため、病院職場では不規則な勤務形態の中でも職場ご
とに工夫をしています。理想としては増員対応することで日勤ロングや夜勤などの回数を減らし、
ストレスや疲れを減らすことが必要です。人材確保が厳しい中でもストレスや疲れ、リスクを取り除
くためには夜勤中の仮眠は重要なポイントであり、仮眠をとることで夜勤時のリスクを軽減するこ
とが可能になると佐々木氏は述べております。医療業界でも人材不足が問題視される今、医療現
場での様々な問題に対して早急な解決方法を模索する必要があります。
講演後は職場交流会が行われ、それぞれの職場の厳しい実態報告がなされ、改善策などについて話し合われました。各病院において共通の問題認識がある事や勤務時間などについての意見交換が出来る事は有意義であり、情報共有をする場としても継続するべきとの意見もありました。今後も定期的な学習会の開催に向けた検討をして医療福祉に携わる労働者の職場環境改善、労働条件の向上に向けた取組みを推進してまいります。